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2023/10/21 21:34

 2023 UCI Gravel World Championships(イタリアで開催されたグラベルバイクの世界選手権大会)に参加して来た話。


今回は UCI Gravel World Championshipsのレース内容や使用した機材について綴ろうと思う。

それは突然すぎる参加決定だった。
2023年の9月の下旬、JCFのTwitter(X)の投稿でグラベル世界選手権のワイルドカード(予選は無く書類審査のみで参加権利が付与される)の募集を知り、これはチャレンジするしか無いのではないか?と考えながら既に手は審査に必要な書類を書き始めていた。

次の日には昨年、唯一参加されていた高岡さん(RX BIKE)に具体的な手順などを聞きより具体的な物へとなっていた。
飛行機や宿を抑え切ったのは出発の3日前、パスポートの更新手続きも出発前日に終えるという直前っぷり。
群馬旅行くらいの感覚である。

出発当日はルフトハンザ航空で約16時間くらい。
無事にイタリアはベネチアに到着、現地時間19時の到着でレンタカーでの移動。
夜遅いとレンタカー屋が閉まってるんじゃないかと心配したが、無事にレンタルする事が出来た。
借りるレンタカーの横に止まっていた車がボコボコで銃撃にあったのか、はたまた雹的なものなのか。
治安という面で不安が込み上げた(結果的に超平和でした)

初の海外運転&左ハンドル、なかなかいい経験だった(笑)

宿はエアビーで格安で一部屋をレンタル、ヨーロッパはエアビーの選択肢が広く使いやすい(ホストによってはハズレあり)

今回は10月4日〜10月11日までの約1週間の旅程、本番は8日。
正直にワイルドカードで参加を募っても実力より「直前の旅程を組む」ハードルの方がよっぽど高いだろう。

移動を終えた日はイタリア時間で夜の11時。疲れもあって時差ボケ感も無く眠る事が出来た。

5日はパッキングから自転車を組み立て、スタート地点ゴール地点へ。
UCIのゲートを目の当たりにすると大舞台に来た実感が湧いた。
レースのコースや機材についてのインプレッションなので大会当日まで飛びます。

今回使用した機材は以下の通り。
cannondale LAB71 Topstone
GRX Di2 ダブル 
EliteWheels DRIVE G45
continental Terra speed 35c
SPD SL

タイヤについては日本出発直前まで悩んだが35cをチョイス。結果的に恐らく一番細かったと思う。
(優勝した選手は40c)
ホイールについても1300gと超軽量なグラベルホイールでカーボンスポークを採用している。
飛石や思わぬ接触が多いオフロードバイクに「カーボンスポークは使用出来るのか」これが今回一番のテストを兼ねたレースである。

世界選手権Age19-34 のコースはこんな感じ。
163km 2813UP という去年とは打って変わってしっかりと登りが入ったコース。
スタートとゴールの位置が違い、ざっくりとしたイメージ前半は平坦ー山岳ー平坦ー超山岳。
3日間かけて全てのコースを試走する事が出来た。(試走してないとかなり不利)

大会当日。唯一OPENしていたカフェで朝食。クロワッサンを3つも頼むと店員さんに驚かれた(笑)
会場は世界大会という事でバーレンメリダやユンボ・ヴィスマ
有名チームのバスが並び、観客と参加者で溢れていた。

ユンボ・ヴィスマのバスの周りにはワウトファンアールト目当てだろうか。たくさんのメディアや子供たち、観客に囲まれていた。
やはり彼らは英雄のような扱いで憧れの的なのだと感じた。

スタート直前、ここで高岡さんや山口さんら(バイシクルクラブ編集長)と別れAge19-34の列に並ぶ。
ゼッケン番号順もあり最後尾だ。

日本では聞いたことのないような声援と共にMEN Eliteクラスがスタート。
その10分後にAgeクラスが順々にスタートする。

スタート直後は公園内に作られたシクロクロスのような特設コースを周り、間も無く公道へと出る
※写真はほぼ全て試走中に撮った写真

最初のグラベル区間は葡萄畑を挟み、日本の河川敷と似たような風景。
乾き切った白砂利を巻き上げながら進む。
想定外だったのは数百名の大集団で突っ込む事によって巻き上げる砂埃で「ホワイトアウト」した事。
貴重なボトルの水は半分口の中を洗うことに使った。

前後左右はミチミチに詰まっていてラインを選ぶなんて到底出来ない、むしろ前だって砂埃で前の選手のタイヤがかろうじて見れる程度。

「あーこれがグラベルレースか」と初めての世界戦、グレベルレースに洗礼をしっかり受けた。
しかし、これまでにデンジャラスな環境においても私の周りを見る限り「落車」は無かった。
(パンクしている選手は無数)
伊達に世界各国から予選を勝ち抜いてきている選手の集まりじゃないなと感じる。

60km程度だろうか。ワイン畑を宮廷のような建物へ向かって登る砂利道で先頭集団からドロップ。
「圧倒的パワー」「体力」の違いを感じた。

そこからは後ろから追い上げてきた年齢が上のAgeグループメンバー等も混ざり集団が形成される。

80km地点頃だろうか。
後ろから「抜くよ」という日本語と共に高岡さんに追いつかれた。
その時点ではAge45-49のトップ集団に混じり奮闘している姿を見て、純粋に尊敬出来た。
(高岡さん11位ゴール)

山林区間は「ここは日本ですよ」と言われたら分からない程、日本のトレイルに近い。
シングルトラックもあればダブルトラックもあり急勾配もどちらかと言うとマウンテンバイクで走るような部分もあった。
これは日本のトレイルを無理やりグラベルで遊んでいた甲斐があった。

そして120km程過ぎた頃、セカンドパックからも大きく遅れ、平坦区間をAgeごちゃ混ぜプロトンで消化していく。
160kmという長丁場なレースに加え、平坦区間でペースが上がっていない状況でもグラベルでは踏まなければ進まない。
脚は常に削られる、その上で激坂に対応したり、下りでさえ、気を抜いたら落車につながる。
ロードレースとは違い、常に戦闘状態だった(脚はカッスカスだったので己との戦い)

ジロデイタリアでも使われた様な激坂区間をトレースする場面もあり、コース上には多くの観戦者の声援に包まれる。
私の走る数分前にMEN Eliteの選手が通っている事もあり、ラッパ音や走って付いてくる人、背中を押してくれる人、ビールを勧めてくる人。坂を登るたびにツールドフランスを走る選手になったような気分だった。

これは思わぬ経験だった。「来てよかった」とその瞬間思った。

アジア人は珍しいのか、過去の日本人が良い行いをしたのか「ジャポネーゼ!」に対しての声援はより大きかった様に感じる。
常に坂や補給ポイントでは声援を貰えた。

レースも最終局面だが、最後に最難関の登りと下りがある。
XCのレースコースですと言っても差し支えない20%程のグラベルの上り(脚をついてる選手多数)
下りも玉砂利が浮いていて気を抜けば脚を掬われる、階段の様な下りをガンガン降っていく。
舗装路の下りと思いきやノーブレーキで80キロ90キロはすぐに出てしまうような激坂を下る。
ここまで来て死ぬわけには行かないとなんとか無事にクリアし、ゴールの市街地へ。

最後に追いついて来た同じAgeの選手と意地の張り合いのスプリントを制し113位で完走する事が出来た。

グラベル「レース」を初めて走ってみて感じた事は「総合力」が試される競技だと感じた。
ロードレースだけの経験だけではコーナー毎に離されるし、CXの様な1時間で終わる短時間な競技でも無いし、バライティに富んだコースをセクション毎に決断してこなして行かないといけない。何より、圧倒的に「タフさ」が求められる競技だと思った。

このキッカケをくれた周りに人や不在の間、会社を守ってくれたスタッフ、何よりこの急な旅程を理解してくれた家族に感謝します。
かけがえの無い経験をする事が出来ました。

【機材インプレッション】

■cannondale LAB71 Topstone
初代アルミトップストーンから乗り続けているcannondale Topstone
2023年にLAB 71というハイエンドクラスを発表し、イメージを一新したcannondale
そのグラベルバイク部門のハイエンドモデルである LAB71 Topstone
以前のTopsotneは正直ツーリングバイクの域を出なかった印象ではあったが、今回のLAB 71は「戦うグラベルバイク」
前モデルと比べ300g程軽量になり、今回のセットで7.9kgという軽さで収まった。

特徴的な後ろ三角に備えるキングピンはタフな下りではしっかりとその性能を実感出来た。
距離が長くなれば長くなるほど、その恩恵を感じる事が出来ると思う。
平地やサスが必要と感じない所では力が逃げるような事は無く、その存在感は無い。
試せるものならば、キングピンが無いバージョンと乗り比べてみたい。

そもそも、今回組み上げるコンセプトとして「ロードバイクの練習にもついていけるグラベルバイク」とした。
7.9kgという軽さもさる事ながら、LAB71になり薄くなったカーボン層で前モデルのツーリングバイクを脱さないモサッと感は無くなり、速く走って気持ち良いバイクだと感じている。

■Elite Wheels DRIVE G45
EliteWheels特有の軽さはそのまま、リム幅を25mmに広げ、ラチェット部分の防水加工を増した「グラベルホイール」
重量は1300gとグラベルホイールの中では最軽量クラスであろう。
そして、賛否両論「カーボンスポーク」の採用ではあるが、今回このタフなコースを見事走り切って確信した事はカーボンスポークでも「問題ない」という事、トラブルさえ無ければ軽さも際立ち、振動吸収も相まってメリットな部分を多く感じた。
今回は運が良かった。
と言ってしまえばキリは無いが、ユーザーの方が不安に感じるカーボンスポークの脆さは感じなかった。
唯一あげるとしたら、ハブ周辺。
今回は一回きり、問題なくレースで使用する事が出来たがタフなグラベルライドを複数回続けるとベアリング面などの消耗具合、浸水等は不安はまだ拭えない。
今後使い続けてみて、耐久性のインプレッションも追加してこうと思う。

しかし、今回このタフなレースを完走する事が出来たのはとても良い実証実験だったと思う。
機材面、全てノートラブルで終えることが出来た。

今回は2023 UCI Gravel World Championships の完走を記念して、限定3本のみ「1万円OFF」クーポンを発行します。
176000円→166000円となるチャンスです。

クーポンコード『2023GWC』を使用してご購入下さい。



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